着物って、面倒なイメージ。
いや、イメージだけではなく、実際に面倒。
準備も、着るのも、片付けるのも、
洋服よりずっと手間がかかるんですよね。
でも、そんな面倒なことをやっている時間が、
実は自分にとって、
心を整えたりできる時間になっていたということに改めて気づきました。
もともと、着物を着ているときが、自然と所作に気を付けたり、
姿勢に気を付けたりするようになるので、心が整うような感じはしていたのですが、
それ以外の、着物を準備したり片づけたり、
メンテナンスする時間に関してはあまり気に留めることはなかったのですが、
着物生活を実践されている、伊藤仁美さんという方のインスタを見ていたら、
着物を着る時間や片付ける時間も心が整う時間であると言われているのを見て、
自分にとってもそうだなと気付きました。
お茶会など、かしこまった場所に着ていく着物は前の日に用意します。
そして、帯や着物のコーディネートを考え、場所や季節を考えて選びます。
着るのも、どんなに慣れてきたとしてもやはり、
洋服より身につけるものや手順が多くて時間がかかってしまうのですが、
その中で、あわててしまうと変な着方になって失敗してしまうので、
集中して、冷静になって着つけていきます。
着付け方も、その日の行動を考えたり、
着物の大きさ(だいたいリサイクルの物なのでサイズがバラバラ)を考慮しながらになるので、
集中します。
洋服でも、TPOに合わせて、コーディネートを考えたりはしますが、
着物ほどその日の1日の動きを予想したり、
季節や、場の雰囲気などを意識することはなと思います。
状況に合わせて、柄や色合い、素材、着方を考えるのは、
楽しい時間であり、その時に集中しているので、
他の無駄なことを考えないマインドフルネスな時間へと自然となっている感じです。
また、着た後、着物は干しますし、他の物は洗濯へ。
そして、着つけに使った紐や、伊達締め、帯揚げ、帯締め、
帯枕、帯板などの小物類も少し干してから片付けます。
紐類はクルクルと丸めたりしながら、小物類を引き出しにしまって、
すっきりさせるのも気持ちがいいんです。
特に着物は、折り目に合わせてきれいにペタンと畳むことができるので、
このたたむ作業が意外と好きなのです。
片付けるのは手間がかかり面倒なのですが、
不思議と嫌と思うことはないのは、この作業が、マインドフルネスな時間になり、
自分にとって心が整う時間だと無意識に感じていたせいなのかなと思います。
それも、着物の魅力なのかもしれません。
あとは、着物のしわやほつれをメンテナンスしたり、
長襦袢の半襟を縫い付けたり、
着物にまつわる手間はたくさんあるので、
忙しい時は後回しになって溜めてしまうこともあるのですが、
実際やっている間は、嫌だと思うことが無くて、
自分にとっては、そういった時間も心の落ち着くマインドフルネスな時間なのです。
着物をたまに着るようになって14年くらい。
コロナでの自粛生活がきっかけで、
これまでお茶のお稽古くらいにしか着ていなかった着物を、
少しずつ家でも楽しむようになり、
この夏は浴衣を着るようにして、
夏でもどんどん着物を楽しんでいこうと思っています。
そうすると、自然とマインドフルネスな時間が日常に増えていくことになり、
自分が変化していくのかなと感じたりしています。
昔、着物で生活していた人は、着物をはじめとした、
手間のかかることが日常に多くて、
日常が自然とマインドフルネスな生活になっていたのかなって思います。
今は、色んなことが便利で簡単になってしまっい、
沢山のことができてしまう分忙しくなり、
時間に追われてバタバタと目の前のことをこなしていくだけで、
基本の日常の今に目を向けず、外のことや過去や未来‥
いろんなところに考えが飛んでいきがちなのかもしれません。
日常の中で、心を落ち着かせて、その時に集中できていれば、
料理をしているときや掃除をしているときでも、
マインドフルネスになる時間は持てると思います。
私の場合は、茶道を習っているので、その時間もマインドフルネスですが、
着物を日常に取り入れていったら、
衣食住の衣にまつわる時間が、
マインドフルネスな時間として日常に組み込んでいけるのかなと思っています。
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じめっとした日でも、パリッとした浴衣は、
サラッとしてて、着ていて気持ちがいいです。
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マインドフルネスは、評価や判断など余計
な思考を手放して、
今この瞬間に注意を払い、その中で湧き上がる気付きの状態と説明されていて、
ストレスから解放されたり、心を整え思考を整え、パフォーマンスを上げたりする効果や、
メンタルヘルスのケアや、依存症などの改善にも有効だとされいて、注目されています。
時々の着物生活を定着させていきながら、
マインドフルネスな時間を日常に増やしていくことでの自分や、
人生がどのように変わっていくか、変化を見ていきたいと思います。
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これは、着物の中に着る長襦袢に、夏仕様の麻の半襟を付けているところです。
見えないところなので、縫い方は適当です。
これが面倒だと思うこともあるので、
壊死をファスナーで取り外せる長襦袢も買ったので、
それはそれで便利ではあるので使っているのですが、
こうやって手縫いで縫い付けるという作業が、
何も考えず集中できて、
じんわりと自分に豊かさを与えてくれているような気がしています。
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