明日は成人の日。
私は、自分では着物を着ますが、人に着せたことはなかったかったです。
そんな私が、思わぬ展開で、娘に成人式の振袖を着つけることになりました。
先日前撮りをしたのですが、何とか無事に着つけることができ、
写真館での記念写真もいい感じに撮っていただけ一先ず一安心。
あとは、明日の成人式本番にもう一度着つけてあげる予定です。
まさか自分が人に着物を着せてあげるなんてほんの1か月前までは思いもしなかったし、
しかも振袖なんて!
なぜそんなことになったかというと・・・
たいていは、成人式を迎える1年以上前から、振袖のチラシがポストに入るようになり、
みんなそのころから振袖のレンタルや着付け、写真の予約を入れたりします。
早く入れないと、
成人式当日、予約できないか予約できたとしても,
ものすごい早い時間しか空いていなかったりするので。
ですが、うちの娘は、振袖を着ることにあまり興味がなく、
しかも、アメリカ留学もあり、それどころじゃないといった感じでした。
帰国しても、振袖めんどくさいな~って感じで話が進まず。
私の若い時は、成人式の日は地元にいなかったので、
式にも出なかったですし、振袖も着ることなかったのですが、
今思えば着ておけばよかったなと思うので、娘もいい経験になるし、
着たらいいのに‥と思いつつ、お金も色々とかかるし、
着たくないならそれでいいか‥とも思っていました。
そんな感じで、どうするんだろう?と思いながらズルズルと、
昨年の11月くらいまで過ごしていました。
そして、成人式の案内が来た頃に、娘がやっぱり友達と式に行く約束をしたから、
振袖着ようかな‥とつぶやき、また、従妹の振袖借りたらいいかも!?
となって、とりあえず振袖を借りることに。
そして、ネットで、着付けしてくれるところや写真館を調べて予約しなくては‥
と色々とみていた時に、着つけ講師の「すなおさん」の動画で、
「この動画を見れば娘さんに振袖を着せてあげることができます」というメッセージに心動かされました。
そして、その時から3週間ほど前に北海道の実家に着物で帰省した時に、
着物姿の私を見て母親が、自分の着物にまつわるエピソードを色々と話してくれました。
私の祖母は私が小さい頃の記憶では毎日のように着物を着ている人でした。
母が成人式の時はその祖母が母の振袖を着つけてくれたということでした。
帯の結び方だけわからなかったので、
近所に人にやり方をあらかじめ習いに行ってから着つけてくれたとか。。
私は、そのエピソードも心に残っていて、
「私が娘に振袖を着せてあげようか」と思い立ったのです。
その時すでに、成人式まであと1ヶ月ほど。
振袖は借りましたが、帯や帯締め髪飾りなどは娘と選びました。
そして、あらかじめ「すなおさんの動画」を何回か見て、
娘にも簡単に着つけてみて、感覚を確かめ、
そして、前撮り本番当日を迎えました。
当日も動画を見ながら、着せていきましたが、
すなおさんの説明がとてもわかりやすかったのと、
私も日々着物を着ているので、ちょっとしたコツなどの感覚は身に付いていたようで、
何とか着せることができました。
娘も苦しくないと言っていましたし、
着崩れることなく過ごせるくらいには着せられて良かったです。
娘にこうやって、何かを着せてあげるなんて、
幼い時以来だなと思うとなんか感慨深いものがありました。
私にとっていい思い出になりそうですし、
娘にもいつかいい思い出になってくれるといいななんて思います。
私が生まれる前は、母親も着物を着て楽しんでいたようで、
そんな話も私が着物を着て実家に帰ったことで聞くことができたのですが、
私が生まれてからは、母親の着物姿は見たことが無かったですし、
私自身も成人式で振袖を着なかったくらい着物とは縁の遠い生活を送っていたのですが、
私が結婚した時に、母親が、嫁入りの際に祖母からもらって一度も袖を通さなかったという着物を、
4枚ほど譲り受けたことをきっかけに、
いつかはその着物を着てみたいなと思っていたところを、
お茶を始めたり、自分の子どものお祝い事で着物を着たいと思うようになって、
ほぼ独学で着物を着るようになって、着物の魅力にはまり、
いつの間にか着物が身近なものになっていました。
そして、そのことが、祖母が母のために誂えた着物を着るようになったり、
着物にまつわる祖母や母の話を聞くことができたり、
娘に振袖を着せてあげることができたり、
着物をとおして自然と世代をつなぐような感じの思い出ができていっていることに、
着物のパワーを感じられずにはいられません。
さすが、日本の伝統衣装。着物の奥深さをさらに感じているところです。
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振袖のコーディネートは、若々しく華やかにという感じなので、
普段自分が選ぶものとは違うので楽しかったです。
この着物は、母親が嫁入りするときの祖母に誂えてもらったという梨地の小紋。
母親は一度も袖を通していないので綺麗ですし古さを感じさせないのですが、
この着物が、私と同じ年だけこの世に存在すると思うと中々すごいです。。
洋服ではなかなかこういう状態では保存できないのではないでしょうか。
着物のこの寿命の長さも世代をつなぐ力になっているのでしょう。
母親からだけではなく、義理の母やお茶の先生からもお着物をいただくことがあります。
洋服だと中々人から譲り受けるという機会というのはないので、
着物は人と人をつないでくれるのだとしみじみ思います。
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